困難を抱えている人たちにも、そこに寄り添える人たちにも来てもらいやすい場所をつくる
特例認定特定非営利活動法人 まなびと 理事長・事務局長 中山 迅一
主にどういう人と関わっておられますか。
中山 :子どもたちだと、不登校の子どもや、発達障がいや学習障がいを持っている子、塾や学校が苦手な子、共働きの家庭の子どもや1人親家庭の子どもたち、外国人と関わっています。
外国人の場合ですと、日本に来てまだ日本語が話せない人や、日本語は話せても日本人の友達がなかなかできない、あるいは地域で自分のやりたいことのできる場所が分からない人たちがいます。
その人たちは、どういう課題を持っていますか。
中山 :その人たちと関わって、その人たちの抱えている困難、苦しさに寄り添う人が十分ではありません。地域にはそういう人になりうる人はたくさんいるはずですが、うまく届いていません。
どのような状態を目指しておられますか。
中山 :困難を抱えている人たちにも、そこに寄り添える人たちにも来てもらいやすい場所をつくること。難しい状況にいるということも、寄り添える立場にあるということも、簡単に入れ替わるものです。
ですので、一方通行ではなく、双方が寄り添いあいながらその場で関わることで、また次のその場を必要としている人が来ることができる。そういうサイクルを地域の中で回していきたいと思っています。
なぜ、自分がやろうと思ったのでしょうか。
中山 :学校の勉強ではある程度人から認められる成績でしたが、自分自身は自分が幸せだと思うことはほとんどありませんでした。
学力が上がることのメリットや勉強することの楽しさは確かにありますが、それ以上にその人がその人らしいチャレンジができること、生きたいように生きること、あるいは今生きているだけで素晴らしいということを認めてもらえずにいるのは苦しいことで、自分自身もそうでした。
同じように苦しい思いをしている人がいるのであれば、自分が欲しかったものをその人たちに届けたいと思いました。